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水、ハーブ、食事、運動…スイス女性の美容は、アルプス仕込み!

「きれいでありたい」そう願う女性たちの心は万国共通です。なめらかな肌、美しい髪、チャーミングな笑顔…。世界中を見渡せば、まだまだ私たち日本人が知らない“美”をつくるためのメソッドがたくさんあふれているはず! そこには、今よりもっと輝くためのヒントが隠されているかもしれません。

健康な体と肌のためにこだわる「水」

健康な体と肌のためにこだわる「水」

永世中立国として知られるスイス。中央ヨーロッパの小国として、ドイツ・フランス・イタリアの大国に囲まれ戦争に翻弄されてきた歴史から、どの国にも従属しない「中立」を宣言するに至っています。スイス国民は全体的にまじめで愛国心にあふれ、美しい自然や限られた資源を大切にする意識が高いのですが、国内にドイツ・フランス・イタリアと、大きく分けて3つの文化圏を持つのも特徴。スイス内でもドイツ側、フランス側、イタリア側のそれぞれの住民の気質に「硬派」、「美と美食が大好き」、「楽しいことが大好き」との明確な傾向があらわれ、食文化や街中の雰囲気にも違いが見えるのが面白い国です。

そんな地域別の傾向は、レストランでだされる「水」にもはっきりと出ています。健康志向の高いスイスでは、大人も子どもも日中の飲み物はなるべく水にすべき、と、常にボトル入りウォーターを持ち歩くほど。食事の時には、デトックス効果があるとされるスパークリングウォーターが特に人気なのですが、スイスの中でもドイツ語圏のレストランではゲロルシュタイナー、フランス語圏ではペリエ、イタリア語圏ではサンペレグリノと、それぞれの元の国を代表する水を誇らしげにサーブしてくれます。健康なスイス人の体やお肌は、このこだわりのスパークリングウォーターが老廃物を排出してくれるたまものなのかもしれません。

とにかく運動が大好き!日々のエクササイズが美しさの秘訣?

とにかく運動が大好き!日々のエクササイズが美しさの秘訣?

Michal Ludwiczak / Shutterstock.com

日本ではあまり知られていませんが、スイスには徴兵制度があり、成人男子には兵役の義務があります。「体が資本」という考えから、男女共にとても健康意識が高く、ヘルシーな食生活や日々の運動習慣があたりまえのように根付いています。特に運動習慣は、普段の暮らしの中にごく自然に取り込むことができる環境が整っています。ほぼすべての一般道に自転車専用レーンが用意され、サイクリング通勤も一般的。また、山がちな地理条件なので、山登りやスキー、トレッキング、ジョギング、ボールを使ったノルディックウォーキングなどが盛んです。

山登りやスキー、トレッキング、ジョギング、ボールを使ったノルディックウォーキングなどが盛んです。

健康な食生活と無理のない運動が毎日バランス良く取り入れられているため、老若男女問わず、しっかりとした筋肉質の体つきで、姿勢も美しい人が多いのです。そのため、肥満の人を見かけることがほとんどなく、中央〜北ヨーロッパ特有の透き通るように白い肌を持ち、長身でスラリとした男女ばかり。スイスに住んで間もないころは、町なかがモデルさんのように綺麗な女性や格好いい男性だらけに思えて、日本人の私も自然と背筋を伸ばして歩くのを心がけたものでした。

また、スポーツジムやヨガスタジオはもちろんのこと、自宅でもお風呂とは別にシャワールームのある家が多く、スポーツ後はシャワーを浴びて汗を流します。シャワー後に化粧直しをする際もべったりフルメイクをするのではなく、化粧水と日焼け止め乳液にポイントメイク程度で、また外へ。運動好きの活発な女性たちらしく、メイクが落ちることなど気にすることなく、いつでも汗が流せる習慣づけがされているのですね。

ハーブで体と美のコンディショニング

ハーブで体と美のコンディショニング

アルプスといえばハーブ、そして世界の製薬会社の工場機能がスイスに集結するほどの清浄な水です。世界のトップブランドや特別なスパの水をふんだんに使用したラグジュアリーで高機能な化粧品も多く販売されていますが、地元のスイス女性が好むのは、植物の恵みを使った自然派化粧品。幼い頃から自然に親しむ彼女たちにとって、植物の恵みは当たり前のチョイスとしてインプットされているのかもしれません。日本でも人気があるヴェレダなどの自然派化粧品ブランドの本社があり、その製品はスイス中のスーパーマーケットや薬局で一般的に売られています。

もともとヨーロッパではカモミール、ザクロ、ローズ、ラベンダーやネロリなど、ハーブや花のエッセンシャルオイルを配合して自然の整肌効果を使った化粧品や、マッサージオイルやティーなどのハーブの香りでリラックス効果を高める民間療法が盛ん。スイスやドイツのノンカフェインのハーブティーの充実ぶりにも、目を見張るものがあります。

ハーブ専門の薬局があり、体の調子や体質に合わせてハーブをブレンドしてもらい、それをお茶として薬代わりに飲むのも、スイス人にとっては一般的な習慣。とくにカモミール(カレンデュラ)は万能薬扱いで、切り傷などに使う軟膏や化粧品、歯磨き粉やクリーム類にもふんだんに取り入れられています。私が花粉症に困ってハーブ薬局に行ったときも、カモミールとミントのお茶を「朝晩、蒸気を嗅ぎなさい」と言って処方されたほど、日常のケアの中にハーブが生きているのです。

カモミールとミントのお茶

ヨガの流行で、ヨガとの相乗効果をあげるためのオリエンタルでナチュラルな美容として、特にデトックスへの関心が高まっており、シナモン、生姜、緑茶などを配合した、女性の心身のためのハーブティーも大人気です。

体にいいことばかりのスイスの暮らしは、肌にももちろんいいことばかりで、スイス女性はみな肌が綺麗です。あくまでも自然志向なので、メイクも、日焼け止めだけのノーメイクか、ポイントメイクのみで、自然の恵みをたっぷりと使った化粧水やクリームで保湿することを最も大切に考えています。

日本ではなかなか知られないスイスの日常の暮らし、いかがでしたか。美しい山々と、清浄な空気と水、バランスのいい食生活と運動、そしてハーブの恵みを上手に使って心身の健康を心がける人々の生活習慣。お金がかかってしまうような特別なことは一切ありません。ぜひ皆さんも、手軽なところから取り入れてみてください。

河崎 環(かわさきたまき)

河崎 環(かわさきたまき)
フリーライター/コラムニスト。教育・子育て、グローバル政治経済、デザインその他、広範なテーマとメディアで15年以上の執筆・出演活動を行う。学生時代の遊学経験から長らく北米派だったが、家族とともにスイス、英国ロンドンにて計4年の駐在生活を経て欧州中を旅行し、欧州大陸の文化伝統の奥深さを知って帰国。

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