皮膚科医が教える!知っておきたい3タイプのクマ対処法

「あれ? 充分寝てるはずなのにいつの間に…」と気付けば目の下にうっすらできているクマ。20代の頃はなかったし、どう改善したら良いの?というあなたにタイプ別に改善方法をご紹介します!

私が解説します!
アオハルクリニック 小柳衣吏子院長
大きく分けて3タイプ。それぞれの原因は何?
クマはクマでも大きく3タイプに分けられます。人によっては複数のタイプが同時に発生しているケースも!では一体、それぞれのクマの原因は何なのでしょうか。
タイプ①:青クマ
多くの方が経験するのは、この青クマ。主に寝不足や長時間のパソコン作業やスマートフォンの見過ぎによる血行不良から起こります。筋肉は血行が悪くなって酸素不足に陥ると、どす黒くなります。目の周りの薄い皮膚を通すとどす黒い筋肉が青っぽく見えるのです。基本的に青クマは睡眠時間をしっかりと取り、血行改善を促すことで予防・緩和ができます。
タイプ②:茶クマ
色素沈着により目の周りが暗く見えるのが、茶クマ。紫外線による影響や、目の周りをこするクセによってできるクマですね。「コンシーラーでごまかそう」なんて方もいますが、それは厳禁! 目の周りの皮膚は薄くデリケートなので、コンシーラーで塗り込んだり、ゴシゴシとクレンジングするとさらに悪化しかねません。“触りすぎず”を念頭に、ビタミンCなど美白成分入りの美容液を塗って、色素沈着を予防しましょう。
タイプ③:黒クマ
寝ても解消しないのが、この黒クマ。別名“加齢クマ”と言います。歳を取るに連れて皮膚がさらに薄くなり、目の下の眼窩脂肪(がんかしぼう)を支えている筋肉がゆるむことで、たるみが発生。たるみの下にできた凹みが黒く見えることで、黒クマとなってしまうのです。この黒クマは、目元のたるみによる影が原因なので、形状を変えるしか対処方法がありません。美容皮膚科によるヒアルロン酸注入などが効果的で、セルフケアではなかなか改善が難しいとされています。
自宅でできる、クマ解消セルフケア
青クマと茶クマを撃退するためには、目元の血行促進がカギを握ります。かと言って、目元を力任せにマッサージするのは絶対にNG!先ほどもお伝えしたように、目元の皮膚は極薄でとってもデリケート。だからこそ「直接触らずに血行を促進すること」がポイントです。これから紹介するセルフケア方法では大きく体を動かすことで、効率よく目元に血液を届けることができます。
両手をぐーんと突き上げよう
背筋をまっすぐ伸ばして、10秒ほど頭の上で両手をのばします。パソコン作業などで前かがみになりがちな姿勢をリセットして、顔まわりの血行を改善しましょう。

肩と首をぐるぐる回そう
仕事や家事の合間に大きく肩や首をグルグル回します。3〜5回回した後は、反対回しも忘れずに。大きく肩甲骨が動いているのを感じたらバッチリ♪視界がパッと明るくなってくるはずです

目元を3秒押さえよう
目と鼻の間に人差し指の側面を押し当てて、3秒たったらパッと離します。ポイントは指を押し込むのではなく、頭の重みを利用してプッシュすること。目のまわりに繋がる動脈の血流を促進します。

茶クマには偽物が存在する!?
茶クマだと思い込んでいても「実際はシミだった」というケースも多く、シミの場合はまずは美容皮膚科に相談することをお勧めします。また見誤りやすいのが「乾燥による小じわ」。小じわによる細かい影が茶色く見えることで、茶クマだと思い込むケースがあります。この場合は保湿クリームで乾燥を防ぐことで改善することができます。クリームを優しく置くように馴染ませましょう。
自分のクマタイプに合ったケア方法を
クマができるとお顔の印象がガラリと変わるので、できることなら無くしたいですよね。ご自身のクマのタイプに合わせたケア方法を取り入れ、美しく健やかな毎日を過ごしていきましょう。
参考書籍紹介
『美肌の王道』 (日経BP社・2016年12月刊)
美容皮膚科医として多くの女性の悩みを診てきた「アオハルクリニック」の院長・小柳衣吏子さんの著書。最新の知見ももとに洗顔、保湿といった基本的な美容習慣に潜む「間違い」を修正し、「ウェルエイジング」のための正しい方法を紹介。いつまでも前向きで、キレイでいたい人の必読書です。
著者紹介
アオハルクリニック院長
小柳衣吏子 (こやなぎ・えりこ)
アオハルクリニック院長。皮膚科専門医。順天堂大学医学部卒業後、都内の美容皮膚科で経験を積み、平成23年、アオハルクリニックの院長に就任、現在に至る。“ウェルエイジング”をスローガンに、多くの人にとって、よりよい治療を日々模索する美容皮膚科のスペシャリスト。
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