多民族文化ならでは!シンガポール女性の健康美を保つ秘訣は?

「きれいでありたい」そう願う女性たちの心は万国共通です。なめらかな肌、美しい髪、チャーミングな笑顔…。世界中を見渡せば、まだまだ私たち日本人が知らない“美”をつくるためのメソッドがたくさんあふれているはず! そこには、今よりもっと輝くためのヒントが隠されているかもしれません。
美しさは健康から! 常夏の国でも冷えは大敵
中華系、マレー系、インド系などさまざまなルーツを持つ人々が暮らす多民族国家・シンガポール。貿易中継地でもあり、世界中のさまざまな国から伝わる食文化に触れることができます。働く女性も多いため、外食文化が発展しているのも特徴です。
食べることが大好きなシンガポールの女性たちですが、健康意識も高く、「美しさは健康の上に成り立つ」という考えが浸透しているように思います。たとえば、シンガポールのレストランで水を頼んだ時に驚くのが、「Cold water? Warm water?(冷たい水? 温かい水?)」と聞かれること。これは、「冷たいものは胃腸の機能を低下させる」という中国伝統医学(中医学、Traditional Chinese Medicine)の考えに基づくものだと知りました。オフィスでも、ウォーターボトルに入れた常温の水を飲む女性の姿が目立ちます。
ランチタイムには、漢方スープで豚肉を煮込んだシンガポールの名物フード「肉骨茶(バクテー)」のお店に行列が。熱々のスープはコショウやにんにくが効いていて、食べると次第に汗がたら~り……。汗をかきながらフーフー熱いものを食べる、これぞシンガポールスタイル!

赤道直下に位置する常夏の国でありながら、一歩ビルの中に入ればキンキンに冷房が効いているという、シンガポールの独特な環境。暑い国だからこそ、冷えに対して敏感なのでしょうね。温かい水や食べものを摂るのは暑さに負けないように体を守る知恵なのだなと感じます。
身近なナチュラル美容素材を取り入れてキレイに

健康や美容に良い薬膳スープを提供するお店もたくさんあり、美肌効果を謳うスープに必ず入っているのは、クコとナツメの実。どちらも女性の健康に欠かせない血液を補ってくれる、ありがたい食材です。シンガポールでは手に入りやすいので、私も普段の食生活に取り入れるようになりました。クコはそのまま、ナツメは刻んで、お湯を注げば「クコ茶」や「ナツメ茶」の出来上がり。スープや鶏の煮込みなどに加えても、ほのかな甘味が出て美味しいのです。日本でも大きなスーパーや中華食材店で手に入るので、ぜひ取り入れてみては?
また、一年中おいしいフルーツが食べられる南国シンガポールで、最もポピュラーなのがココナッツ。美容や健康に良いスーパーフードとして世界中で注目されていますが、シンガポールではスーパーの果物売り場に行けばいつでも手に入る、身近な存在です。食事中もお茶を飲むような感覚で、ココナッツの実にストローをさして飲む女性を見かけます。
フレッシュなココナッツ果汁はサラッとしていて飲みやすく、スポーツドリンクなどと比べ低カロリーなのもうれしいところ。カリウムやマグネシウム、鉄分などのミネラル分が多く含まれていてむくみ防止にも一役買ってくれます。暑さで失われがちな水分やミネラルを補うにはまさにうってつけ。シンガポールの名物フード「ラクサ」や「カヤジャム」にはココナッツミルクが使われていることからも、人々が身近なココナッツを自然に生活や食事に取り入れてきたことがうかがえます。
(写真はココナッツの中に漢方スープが入った「Double-Boiled Whole Coconut with Black Chicken Soup」。とても南国らしい美容メニューといえそう。)
シンガポール女性たちの美は、身近な美容素材によって支えられているのですね。
ファッションは開放的。だからボディケア&紫外線対策も万全

年間通じて最高気温が30℃前後と常夏のシンガポールでは、ミニ丈のワンピースやタンクトップにショートパンツ、素足にサンダルといった開放的なファッションが定番。肌の露出が自然と多くなるため、女性たちはボディケアにも余念がありません。脱毛やダイエットへの関心も高く、ペディキュアも年中欠かせないものになっています。
また、紫外線の量や強さも日本とは比べ物になりませんが、帽子や日傘を使う習慣はあまりありません。それでも美肌の持ち主が多いのは何故? 不思議に思ってシンガポーリアンの友人に尋ねると、お出かけ前には顔はもちろんボディにもしっかり日焼け止めを塗っているとのこと。ちなみに日本の日焼け止めは品質が良いということで人気だそう。高温多湿な気候で肌がベタつきやすいため、「日焼け止めを塗った後はボディパウダーで押さえて肌の表面をさらっとさせるといいわよ」と教えてくれました。
他にも、暑くて重ね着が難しいため、大ぶりのアクセサリーでコーディネートに変化をつけたり、明るい日差しに映えるビビッドなカラーのリップやネイルを楽しんだり。夏の日本でも取り入れられそうな工夫がいっぱいです。
さまざまな国に伝わる伝統や世界的なトレンドも上手に取り入れつつ、ローカライズして楽しんでいるシンガポールの女性たち。シンガポールに来たらぜひ、彼女たちのライフスタイルに注目してみて!

城後紗織(じょうごさおり)
美容ジャーナリスト。大学在学中より、女性誌編集スタッフとして執筆活動をスタート。独立してキャリアを重ねる一方、出産後の多忙な経験から時間をかけずにキレイになれる美容法を追求。著書「時短メイクbeauty」をはじめ、雑誌やWebを通じて独自の時短美容テクを発信している。2014年からはシンガポールを拠点に移し、シンガポールと東京を行き来しながら活動中。
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