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座りすぎは不健康の元!?習慣にしたい正しい座り方&ストレッチ

ステイホームやテレワークが推奨される現在。気づくとパソコンの前で何時間も座りっぱなしという方は要注意!近年、健康リスクを高める“座りすぎ”が世界的な問題になっています。その影響は想像以上に大きく、腰痛や肩コリ、肥満、糖尿病、心筋梗塞といった内臓の病気にまで及びます。ある調査によると、日本人が平日に座っている時間は世界最長の約7時間。テレワークが増えた今なら、さらに長くなっている可能性も!?そこで今回は、座りすぎによる健康リスクを少しでも軽減するための対策をご紹介します。

スポーツ庁Web広報マガジンDEPORTARE「日本人の在時間は世界最長『7』時間!座りすぎが健康リスクを高める あなたは大丈夫?その対策とは・・・」より(2019-10-11閲覧)

今だけじゃなく将来にも影響が!?座りすぎがもたらす健康リスク

座りすぎが肩こりや首こり、さらには内臓の病気にまで影響を及ぼすのはどうして?仕事上、長時間座らないといけない時はどうしたらいい?など、気になる疑問を、身体のバランスを整えるプロ、ピラティスインストラクターの丸野かおり先生に聞きました。

教えてくださったのは

ヨガ・ピラティスインストラクター 丸野かおり先生

ヨガ・ピラティスインストラクター 丸野かおり先生

エアロビクスのインストラクターとして活動中に、体力のない人や運動の苦手な人でも楽しめるピラティスに出会い、開眼。正しい身体の動かし方や効率的な身体の使い方を学べる丸野先生のレッスンは、全身がすっきりすると評判に。現在は関西のスタジオを中心にピラティスインストラクターとして、マシンピラティスやバーワークスなどのほか、市町村からの依頼を受け、健康に関する講座を定期的に開催するなど精力的に活動中。

――長時間座りすぎることが、どうして身体に悪いのですか?

日常生活の中で“座る”のは当たり前のことで、それ自体が悪いわけではありません。問題なのは“座りすぎる”こと。長時間座ったまま動かずにいることで、骨や筋肉に負担をかけることもあれば、いわゆるエコノミークラス症候群と同じように血流低下が起こり、病気につながることもあるのです。主な健康リスクとしては、以下の2つが挙げられます。

①悪い姿勢が腰痛、肩・首こりを招く

まず座っている最中に起こりやすい悪い影響として、腰痛や首回りのコリがあります。これは座っている時の姿勢の悪さが原因です。本来背骨は頭から首、背中、腰骨にかけてSの字のように緩やかにカーブしています。ところが、前屈みに背中を丸めて座るとS字が伸び、逆に脚を投げ出すようにふんぞり返って座ると縮んで、どちらも腰に緊張や負荷がかかることで腰痛が起こるのです。さらに、スマートフォンやパソコンを使う人に多い前屈みの座り方は、頭がひょこっと前に出ているので、5kgほどもある重い頭を首だけで支えることになり、首とその根元の肩が疲れてこってしまいます。

多くの人に見られる前屈みの姿勢

TVを見ている時になりやすい、ふんぞり返った姿勢

➁血流や代謝の悪化が病気リスクを高める

座ることは股関節が曲がるということです。長時間座りっぱなし=股関節が曲がりっぱなしだと、股関節の周りにある血管に負担がかかるうえ、下半身の大きな筋肉が動かないので、血液を押し戻す力が弱くなって血流低下に。血液は酸素や栄養分とともに体内でつくられた熱を届けるのも大切な仕事。その流れが悪くなることで代謝が悪くなり、徐々に病気のリスクが高まるのです。さらに、熱が身体に行き渡らないと冷えやすくなり、そうなると体温が下がって免疫機能が低下する、という負の連鎖も起こりがちです。

――具体的には、どれぐらいで“座りすぎ”になるのでしょうか?

一般的には、30分に1回は立って歩くことが推奨されています。そう頻繁に動けないという方も、最低でも1時間に1回は立っていただきたいですね。周りに必要なものを全部そろえて座りっぱなしの方もいますが、歩く機会を作るには、あえて不便な環境にするのがいいもしれませんね。

後から運動すれば帳消し、とはいきません!

――長時間座りっぱなしになっても、後から運動すればリセットできますか?

何もしないよりは運動したほうがよいとは思いますが、座りすぎを帳消しにはできません。血流が低下してから動くより、低下させないようにこまめに動くことが大切です。
運動することは、姿勢の悪さによる腰痛や肩コリ予防に効果的です。気づかないうちに姿勢が悪くなるのは、筋肉のバランスが崩れていることも一因。全身にしっかり筋肉があると、正しい姿勢をキープしやすく、血流も整いやすいので、無理せず続けられる適度な運動習慣を作りましょう。

ここまで聞くと、日頃の座りすぎを自覚している方は健康リスクが心配になってきますよね。かと言って、デスクワークはやめられない。そんな時、座りすぎによる負担を軽減するための対策となる、正しい座り方と、仕事の合間にできる簡単ストレッチをご紹介しますね。

座っているときの負担を減らす正しい座り方

負担をかけずに座るには、背筋を伸ばして正座した時の上半身の姿勢が理想的です。腰骨を立て、背筋を伸ばし、猫背にならないように肩を開いて座りましょう。正しく座れているか分かりにくい時は、呼吸のしやすさが目安。実は前屈みになっていると息を吸いやすいけど吐きにくく、反っていると息を吐きやすいけど吸いにくい傾向があります。息を吸うのも吐くのも楽な姿勢ポイントを探しましょう。

これが正しい座り方!背筋の真上に頭を配置、肋骨がまっすぐ、骨盤が立っている

  • 正座した時は必ず骨盤が立った状態!
  • 腰の後ろに掌1枚分ぐらいの隙間があるのが正解

うっかり座りすぎた時は、ストレッチで身体をほぐすのもオススメです。どの動きも座ったままできるので、仕事の合間に試してみましょう。

腰痛対策に、おしりストレッチ

イスに座ったまま、片方の足首を反対の膝にのせ、背筋を伸ばしながら胸をゆっくり前に倒していきます。おしりが伸びるのを感じながら、痛気持ちいい程度に数秒キープ。反対も同様に。おしりの血行促進にもなるので、冷え性の方は長めにキープしてください。

背筋を伸ばしたまま体を前に倒していく

足先を動かして冷え予防

特に血流が悪くなりがちな足先は、こまめに動かすのが正解。かかとやつま先を上げ下げするだけでも有効ですが、より高い効果を狙うなら、座ったまま膝を伸ばし、少し脚を上げた状態で足首をグルグル回しましょう。

膝を伸ばした状態で足首回し!

首の疲れを和らげる首ストレッチ

前のめりの姿勢で凝り固まった首のコリをほぐします。頭の後ろで軽く両手を組み、親指を頭と首の付け根のくぼみに当て、ひじは視界に入る程度のところで、手の平と頭を押し合いっこします。その状態で20秒ほどキープした後、さっと手を放すと血管が流れるのを実感できるはず。自然な呼吸を心がけながら行ってください。

親指でツボを押しながら

固まった背中と肩をほぐすストレッチ

猫背になった背中を伸ばすストレッチ。まず無理のない範囲で左手を背もたれにかけ、右手を前から回して少しずつカラダをねじっていきましょう。この時、背筋を伸ばし、胸を開いて呼吸をしながら気持ちよくストレッチしてみて下さい。反対も同様に。

胸を開くことを意識して!

さらに、肩コリが気になる方は肩甲骨周りを伸ばしましょう。両手を肩幅ぐらいに広げて机にのせ、おへそを見るように頭を下げながら、手を動かさずに背中を後ろへ引いていきます。肩甲骨の間が気持ちよく伸びるのを感じたところで数秒キープ。

背中を後ろへぐーっと引く

次にゆっくり腰から背中、頭の順に持ち上げ、背筋を反るように伸ばして数秒キープしてください。

腰→背中→頭の順にゆっくり持ち上げる

肩こりに効果的な肩甲骨回し

肩が固まりすぎて背中の動きが悪い人にオススメのストレッチです。両手を広げて顔の横に並べ、窓を拭くように内側から外側へ大きく5回ほど回します。外回しが終わったら内回しも同様に。自然な呼吸を心がけながら行ってください。

ひじが顔より前に出ないように

仕上げに、両手を組んで手の平を上へ向け、大きく息を吸いながら気持ちよく伸びをして腰や背中を伸ばしましょう。体の側面を伸ばしたい時は、そのまま息を吐きながらサイドに倒してもOKです。しっかり伸びたら、息を吐きながら一気に脱力すると、すっきりしますよ。息を吸ったり吐いたりする順番は、逆のほうがやりやすいならそれでも大丈夫です。呼吸を止めずに行うよう注意してくださいね。

息を止めないように注意!

“座りすぎ”が世界的な社会問題になってから、日本でも立って行う会議や、立ったまま仕事ができる机を取り入れるなど、対策に取り組む企業が増えてきました。座っても立っても、正しい姿勢を意識して、血流が低下しないように、こまめに動くことを心がけたいですね。

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