一問一答! 初めての赤ちゃんのお世話で分からないことを先生に聞いてみよう

初めての赤ちゃんのお世話では、ちょっとしたことでも不安になることがありますよね。沐浴講座や離乳食講座はあるけれど、「あれ?これどうしたらいいの?」という素朴な疑問は、実際に育児が始まってから出てくることも多いはず。今回は、赤ちゃんのこと、子育てのことで“ちょっと聞いてみたい“けど誰に相談していいか分からない疑問を、助産師の高田先生とロート製薬の学術担当に話を聞きました。
大阪大学医療技術短期大学、大阪府立助産婦学校、国立公衆衛生院専門課程(MPH)修了。大阪大学医学部付属病院、大阪市内の地域の助産師としての臨床後、4人の子育てをしながら神戸大学、神戸市看護大学で看護師、助産師教育・研究に従事。日本助産学会理事長を務め、現在に至る。
社内教育に加えて、販売店様向けに製品情報をお伝えする学術担当。また子どもを持つママとして、気になる赤ちゃんのスキンケアについてお答えします。
小さな赤ちゃんの身体、どうやってケアするの?
生まれたばかりの赤ちゃんの身体はとても小さくて、ケアする時に緊張することもありますよね。今回は、特に質問の多かった、耳、爪、鼻のケア方法についてお話を聞きました。

Q1. 赤ちゃんの耳の掃除方法はどうするの?
耳垢は、自然と奥から入り口へと移動してくるので、耳の穴の入り口部分を、くるくるっと綿棒でふき取るくらいで大丈夫です。耳の穴の中まで掃除する必要はありません。お風呂上がりは耳垢がふやけて取れやすくなっています。気になる時にケアしてあげましょう。
Q2. 赤ちゃんの爪はどのくらいの頻度で、どうやって切るの?
赤ちゃんは新陳代謝が活発なので、爪の伸びるスピードは意外と早いです。なぜ爪を切るのかというと、爪で赤ちゃん自身の肌をひっかき、傷つけて危ないから。なので、指の頭から爪が飛び出すように伸びたら切ってあげてください。ベビー用のはさみタイプの爪切りが使いやすいですよ。丸い円をはさみで切るように、角を付けないようゆっくり爪を切りましょう。
<ミトンは使用してもいいの?>

赤ちゃんの手にはたくさんの神経があります。直接触ることで刺激となり、赤ちゃんの脳の発達にも影響しています。なので、ミトンをすると刺激が少なくなるため、できるだけ使わない方がいいでしょう。
Q3. 赤ちゃんの鼻くそ・鼻水は取ってあげるべき?
赤ちゃんは鼻呼吸をしているので、鼻が詰まった状態だと息苦しくなってしまいます。鼻が出ている時は、入り口付近を優しくガーゼで拭き取りましょう。こびりついている時は、ぬるま湯でふやかすと取れます。奥の方にも鼻水があるため、鼻を少し抑えながら、上から下に優しく押し出してあげるといいでしょう。綿棒を鼻の奥に入れると傷つける場合があるので、入れないようにしましょう。鼻水を吸い取るケア商品もありますので、使い勝手が良ければ利用しても良いでしょう。緊急時には、ママの口を使って吸い取ることもできます。
男の子と女の子赤ちゃんのデリケートゾーンのお手入れ方法
赤ちゃんのデリケートゾーンのケア方法について、疑問に思っているママも多く、特に男の子赤ちゃんのママは、自分とは違う性の子どものお世話にとまどうこともあるようです。デリケートゾーンの疑問について、先生にお聞きしました。

Q4. 女の子も男の子も、オムツ替えの時、毎回拭いた方がいい?
オムツの中は、おしっこが広がっているので、できれば全体的に拭いてあげるといいでしょう。おしっこの成分が刺激となり肌がかぶれる可能性があります。ただし必ずしも拭かなければならない、ということではないので、気になったら拭いてあげましょう。
拭く場合は、女の子も男の子も、お尻拭きを大きめに広げて、全体的に押し当てるように優しく。肌を傷めるのでゴシゴシ拭くのは禁物です。また、拭いたあとは、乾かしてあげることで、かぶれのリスクを減らすことができます。この時に保湿剤を塗るのもよいでしょう。
オススメのお尻の乾かし方ですが、“オムツ替え用のタオル“を準備して、毎回きれいにした後に、ぽんぽんと優しく拭いてあげれば、すぐに乾かせますよ。
Q5. ウンチの時の上手な拭き方はある?
ウンチをゴシゴシ拭き取るのはNGです。摩擦は肌を傷つけてしまいます。オススメなのは、お尻拭きに、ぬるま湯を含ませて、ウンチをふやかしながら洗い拭く方法です。替える前のオムツを敷いたままにしていれば、ぬるま湯も吸収してくれるので床が濡れません。ウンチを拭くときは前から後ろに。さらに、お尻を持ち上げて、下の方まできれいにしてあげましょう。そのあと、“オムツ替え用タオル“で、ぽんぽんと優しく拭くなど、乾かしてから新しいオムツをつけましょう。
Q6. お尻かぶれがひどいのですが、防ぐ方法はある?
お尻かぶれがひどい時は、頻繁にオムツを替えてあげることと、優しく拭いてあげることが大切です。オムツの中は、常におしっこやウンチで湿った状態です。すると雑菌が繁殖しやすく、少しの刺激でもかぶれの原因になってしまいます。できるだけきれいで乾いた状態にしてあげることが大切です。また、おしりふきの摩擦もバリア機能を壊すので、普段から、“ゴシゴシしないで優しく拭く“を意識してくださいね。その後、保湿もしてあげましょう。
Q7. 男の子赤ちゃんの、おちんちんの皮は剥いてあげるべき?
男の子の赤ちゃんのおちんちんは、通常包皮という柔らかい皮で覆われている「包茎」の状態ですが、ママやパパが、赤ちゃんのおちんちんの皮を剥く必要は、全くありません。成長するにつれ、自然と剥けてくるので、何もしなくて大丈夫です。
赤ちゃんのお風呂事情。いつ入れるの?
まだまだ生活リズムの整っていない、赤ちゃんの毎日のお風呂について、どうしたらいいか悩んでいるママも多いようです。赤ちゃんのお風呂の疑問について先生にお聞きしました。

Q8. 寝て起きての繰り返しですが、いつお風呂に入れた方がいいの?
毎日同じ時間にお風呂に入れると、後々の生活リズムがつきやすくなりますが、でも、基本は、ママやパパがゆっくりとした気持ちで入れてあげられる時にお風呂に入ればいいと思います。今日はパパの帰りを待って入れてあげようとか、赤ちゃんが寝ている時に入れてあげようとか、臨機応変でいいんですよ。ゆっくりした気持ちのお風呂タイムだと、赤ちゃんも気持ち良く入れるはずです。
Q9. 「あせも」がある時、日中もシャワーできれいにした方がいい?
あせもは、汚れなどで汗の出口がふさがれ、汗が外に出られず、汗腺の中で炎症を起こしている状態です。日中は、あせものできている部分だけのケアで大丈夫です。濡れたガーゼであせもの部分を優しく拭いて汚れをきれいにし、そのあとバリア機能を守るために保湿しましょう。シャワーを浴びなくても清潔にしてあげることが大切です。
赤ちゃんのお肌は敏感肌。スキンケアの方法は?
赤ちゃんの皮膚は、大人の約半分の薄さと言われています。そのためバリア機能が未熟で、外からの刺激にも弱い状態です。赤ちゃんの肌を守るために出てきた疑問について、ロート製薬の学術担当に聞きました。

Q10. 乾燥肌のため、保湿剤をたくさん塗っていますが、塗りすぎではないかと心配。適量はどのくらい?
塗りすぎがダメということはないので、たくさん塗っても大丈夫です。目安としては、ローションタイプの場合は、1回に出す量は1円玉大で、クリームの場合は、人差し指の先端から1つ目の関節までくらいの量です。これらの1回量を、生後6ヶ月のお子様であれば、顔・首・片手・片足・胴とお腹・背中のそれぞれの箇所に塗るといいでしょう。ただし、医薬品の場合は、用法用量を守ってお使いください。
Q11. 肌にトラブルがないけれど、いつまで保湿をしてあげるべき?赤ちゃんだけではなく、幼児も必要なの?
おおよそ思春期を迎えるまでは、皮脂量が非常に少なく乾燥しやすいデリケートな肌状態なので、バリア機能を整えるためにも、赤ちゃんの頃だけではなく、幼児でも保湿してあげることが望ましいです。
Q12. できた傷がなかなか治らず、傷跡が残らないか心配。傷跡を残さない方法はある?
ヘパリン類似物質などが配合されている製剤がオススメです。ヘパリン類似物質は、抗炎症作用や高い保湿効果を持つだけではなく、血行を促進することで、肌の新陳代謝を促進し、傷跡のしこり、つっぱりを和らげる作用があります。医薬品の場合は使用方法を確かめてお使いください。
最後に、助産師の高田先生からメッセージ
初めての育児で、気になることがたくさん出てくるかもしれませんが、それは赤ちゃんの気持ちになって、考えている、優しいお母さんの証拠です。今は情報もたくさんありますが、何が正解なのか見極めるのも難しいですよね。でも、自分の赤ちゃんのことは、きっと、あなた自身が一番知っているんです。なので、赤ちゃんが機嫌よく元気にしていたら、それはOKのサイン!「なにかいつもと違うな?」と感じることが病院に行くかどうかの決め手でもあります。そういう感覚を大事にして欲しいと思っています。赤ちゃんとの時間を楽しんでくださいね。
<ご案内>
高田先生が会長を務める日本助産学会学術集会の市民公開講座が開講されます。
詳細は画像をチェック!市民講座の視聴はこちらから
