マスク生活で口元がたるむ?!顔トレーニングでリフトアップ!

在宅勤務などで人と話すことが少なくなり、外出時にはマスクで顔の半分を覆われて・・・。そんな生活が当たり前の日常になっていますが、ふと鏡でマスクを外した顔を見て、老けたように感じることはありませんか?「マスクをつけていると気にならないのに」という方は、口元のたるみが進んでいるかもしれません。
「マスクの内側であまり口を動かさずにモゴモゴと話し、マスクに頬を圧迫される日々が続いて、多くの女性に老け見えが進んでいます」。そう指摘するのは、ピラティスインストラクターの辻川容子さん。ご自身も、マスク生活に慣れた頃から活舌が悪くなり、口周りや頬の筋肉の衰えを実感。これは大変!と、すきま時間にできる簡単なトレーニングを始めたところ、活舌が戻っただけでなく、頬も引き締まってきたというから興味津々!今回は、口元のたるみ解消も狙えるその注目のトレーニングを教わります。マスクを付けたまま、こっそりできるものもあるので、ぜひお試しくださいね。
教えてくださったのは
ピラティスインストラクター 辻川容子先生
大阪で複数のスタジオを経営するほか、インストラクターの育成にも注力。月に130本以上のレッスンをこなし、パーソナルトレーニングは数か月先まで予約が取れないほどの人気ぶり。トレーナーとして忙しい日々を送りながらも、定期的にピラティスの本場ニューヨークに渡り、さらに高い技術の習得を目指して指導を受ける勉強熱心な姿勢にくわえて、明るく楽しい人柄も魅力!

――マスク生活が続くと、どうして老け見えが進むのですか?
原因は大きく分けると以下の3つにあります。
1.顔の運動不足
感染予防対策として正しいことなのですが、マスクをつけて話す時は、どうしても口の開け方が小さくなりますよね。開け方が小さいということは、動きが少ないということ。つまり、顔が運動不足になっている状態です。口だけでなく、口周りの筋肉を支えている頬の筋肉の動きが減ると、筋肉が凝り固まり、柔軟性がなくなるので、シワが深くなったり、たるみがちになるのです。在宅勤務で人と話す機会が減ったという方もご注意ください!
2. マスクの圧力
マスクの種類やつけかたによって程度の差はありますが、マスクは鼻や頬にぴったりフィットしているもの。すき間なく密着させるために、鼻や頬骨の辺りが少し圧迫されているはずです。ごく軽い力ではあるものの、その圧力はたるみの一因。毎日頬の同じ場所で長時間に渡って絶え間なく押さえ続けるその圧力によって、まるで固定されるように筋肉は動きを妨げられ、凝り固まり、柔軟性を失っていくのです。大げさに思えるかもしれませんが、今やマスクは、毎日朝から晩まで何時間もつけ続けているのですから、決して侮れません。小さなダメージが蓄積されて、じわじわと影響が表れてきます。

3. 省略ケア
マスクで顔が半分ぐらい隠れてしまうからと、肌のお手入れをおろそかにしたり、メイクを目元だけに省略している人は要注意!実は意識していなくても、普段肌のお手入れやファンデーションを塗る時、くまなく顔中に触れることで多少筋肉がほぐれているんです。それがファンデーションを塗らなくなったり、お手入れすらも省略するようになると、ほぐれる機会がなくなって、顔の筋肉は凝り固まったまま。シワやたるみが起こりやすくなります。
このように、新しい日常の中で、気づかないうちに陥ってしまう3つのトラブルが、顔の下半分のたるみを引き起こし、老け顔になっていくのです。
――確かに、思い当たることばかり・・・。実際にたるみが気になったら、どうすれば解消できますか?
私は、活舌が悪くなって顔の筋肉の衰えに気づいた時、まずマスクを透明のフェイスシールドに変えて、生徒さんに表情が伝わるように、口を大きく動かして話すように心がけました。口を動かしてはっきり話すことは大切です。
さらに、老け見えを解消して若々しい印象を目指すなら、顔の筋肉を鍛えるトレーニングが効果的ですよ。
そこで、頭・顔全体・口元・頬の3パーツに分けて、トレーニング方法をご紹介しますね。
顔全体のリフトアップを目指す
【頭・顔ほぐしマッサージ】
筋肉や筋膜について学んだからこそ言えるのですが、顔のたるみが気になる時に、顔だけをケアしてもただ取り繕っているだけだと思うのです。顔の筋肉は頭の筋肉にもつながっているので、いくら顔の筋肉をほぐしても、その先にある頭の筋肉が凝り固まっていれば、顔だけが引き上がるはずはありません。
顔を引き上げたければ、まず頭から!凝って固くなった頭や輪郭をほぐしてから顔をほぐせば、顔全体がすっきりしますよ。
POINT
- ・このケアは、体温が上がって筋肉が柔らかくなるお風呂の中でするのがオススメです。
- ・今回は愛用の専用ツールを使っていますが、ご自分の指や、指では力を入れにくい場合は、スプーンの裏など身近にある硬めのアイテムを代用してもOKです。
①まず額の髪の生え際を軽くほぐし、そこから頭頂部→後頭部→首の付け根へとゆっくり押し流します。首の付け根に来たら、うなじの辺りをグリグリと念入りにほぐします。


②次は側頭部。耳の上辺りで、ぐっと噛んだ時に動く筋肉をグリグリとほぐしながら斜め上へ進みます。ここの筋肉は目につながっているので、凝っていると感じる時は丁寧にほぐしましょう。

③ここから顔に進みます。
まず眉の筋肉をほぐします。眉頭の眉の上のラインに人差し指を、目頭のくぼみに親指を当て、親指で目のくぼみの上側を押し上げるように大きく眉をつまみます。少しずつくぼみに沿って手をずらしながら、眉頭から眉尻まで進みます。凝って痛いところは念入りにほぐしましょう。

④次はエラです。ぐっと噛んだ時に動くエラの少し上の辺りの筋肉をグリグリとほぐします。この筋肉は人によって凝っている場所が微妙に違うので、少しずつ指をずらしながら押してみて、痛いところを中心にほぐしてください。

⑤今度は顎ライン。人差し指と親指で顎を挟み、輪郭に沿ってグリグリとエラまでほぐしていきます。ここでも凝って痛いところがあれば、念入りにほぐしましょう。


⑥最後に、顔全体の筋肉を緩めるように、手のひら全体を使って顔をほぐします。この時、あまり力を入れず小さくグニグニとほぐすことがポイントです。

⑦仕上げに、ほうれい線のシワ対策にも効果的な舌の体操を。舌も筋肉なので、話す機会が減ると衰えてしまいます。しかも、唾液の分泌が減少するとモノを飲み込みにくくなるので、舌回しで舌を鍛えることはとても大切です。
口を閉じ、ほうれい線を内側から伸ばすつもりで、舌の先で口の裏をなぞるようにグルグルと右回りに4回転、左周りにも4回転。これで終了です。

口元のたるみを鍛える
【母音子音トレーニング】
特に口元のたるみが気になる方は、口周りと頬の筋肉を集中的に鍛えるのがオススメです。
このトレーニングは、大きく口を動かしながら日本語の五十音を一文字ずつ読んでいきます。といっても、「あいうえお」ではなく、五十音表を横に進むように「あかさたな」と、同じ母音の字を読んでいくのがルール。
そして一番のポイントが、一文字読むたびに口を元の位置に戻すこと!
大きく口を開けて「あ」とよんだら、一旦口を閉じてニュートラルな状態へ戻します。また大きく口を開けて「か」→口を閉じる→「さ」・・・と、「口を大きく開けて戻す」を繰り返しましょう。筋肉は、収縮と弛緩を繰り返すことで鍛えられるので、大きく開けて(弛緩)→閉じる(収縮)の繰り返しが大切なんです。あ行が終わったら「い・き・し・ち・に・~」、「う・く・す・つ・ぬ・~」と、様々な形に大きく口を開いて・戻して、顔の運動不足を解消しましょう。
若見え印象へ導く!
【頬上げトレーニング】
若々しく見える要因はいろいろありますが、頬に高さがあってふっくらしていることが大切だと思うんです。顔立ちは関係なく、カギとなるのは頬の筋肉の弾力性。弾力性がない=筋肉が衰えていると表情が乏しく見えたり、疲れて見えがちです。笑った時に頬の高い位置がふっくら盛り上がるように筋肉を鍛えましょう!
方法は至ってシンプルで、頬を高く上げるつもりで思いっきり口角を上げ、頬と口元に力を入れた状態を10秒間キープするだけ。
それだけのことなのに、頬の筋肉が疲れて痛くなったり、想像以上にキツく感じる方も多いのではないでしょうか。このトレーニングは動きが小さいので、マスクの中でしても大丈夫。周りの人に気づかれずこっそり頬を鍛えられますよ。私もしょっちゅうしています(笑)。
ポイントは、頬を上げる時、おでこにまで力が入るとシワになりやすいのでご注意ください。あくまで動かすのは口元と頬だけです!

マスクをしていると口元が人から見えないからと、気がゆるんで口角が下がり、つい仏頂面になりがちですよね。でも実際は、自分が思っているより、その仏頂面は目にも表れがち。だからこそ辻川先生は、「マスクを付けている時は、目だけでしか表情がわからないから、特に笑顔でいるように心がけています。そうして表情を作ることが頬上げのトレーニングにもなるので一石二鳥なんですよ」とのこと。マスク生活は当分続きそうなので、外では笑顔を意識しつつ、お家ではたるみ対策のトレーニングを取り入れて“マスクたるみ”や“マスク老け”を防ぎましょう。
