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気づかぬうちに急上昇!?冬に心がけたい高血圧ケア

自分では気づきにくく、知らないうちに悪化してしまう高血圧。健康診断などで指摘され、日頃から減塩や運動で血圧ケアを心掛けている方も多いと思います。しかし冬には、血圧を急上昇させる意外な原因が潜んでおり、時には命に関わることも。そこで今回は、寒い冬に注意すべき血圧ケアについてご紹介します。

苅尾七臣先生

教えてくださったのは

自治医科大学 内科学講座循環器内科学部門 教授
苅尾七臣 先生

自治医科大学卒業後、兵庫県北淡町国民健康保険北淡診療所内科、コーネル大学医学部循環器センター、コロンビア大学医学部客員教授などを経て、2009年より現職。高血圧、動脈硬化、老年病学が専門。日本循環器学会専門医、日本心臓病学会専門医

血圧が高いと、どうしていけないの?

血圧が正常値よりも高い状態が続くと、血管に常に負荷がかかります。すると、血管の内壁が傷ついたり、柔軟性がなくなって固くなったりして、脳卒中や心筋梗塞など血管系の病気になりやすくなってしまうのです。

下のグラフを見てください。最高血圧140以上かつ/または最低血圧90以上(オレンジ色の領域)が高血圧の基準値です。さらに高血圧と、正常高値血圧の間に『高値血圧』という分類(黄色の領域)があり、これは将来、高血圧になる可能性が非常に高い状態であるということです。この「血圧が高め」の方たちも含め、大きな病気を防ぐために、日々の血圧ケアを心がけましょう。

新しい血圧の基準

※診察室で計測した場合(単位:mmHg)参考文献:高血圧治療ガイドライン2019

冬場の血圧上昇にご用心!

塩分が血圧を上げてしまう要因の一つであることは、皆さんよくご存じですが、冬場には、他にも血圧上昇の要因が潜んでいます。年末年始はご馳走を食べたり、お酒を飲む機会が増えること、さらに寒さから運動不足にもなりがちで太りやい時期です。この肥満も血圧を上げる一因です。

そして、冬に恐いのが「寒さ」による血圧上昇です。

人は寒さを感じると、体温を逃さないよう血管が収縮するため、血圧が上がります。そのため、冬場の最高血圧は夏と比較し8mmHg程度上がり、中には20mmHg以上、上がる人もいます。寒さで血圧が上がっていることは自分では気づきにくいですが、その積み重ねは、やがて心血管系の大きな病気につながる可能性があります。

すぐに実践できる!冬の血圧ケアの方法は?

では、血圧を上げないために、寒い冬をどのように生活したら良いのでしょうか。もちろん、血圧ケアの基本である減塩は常に心がけていただきたいのですが、他にもできる対策があります。自分と家族の健康のために、今日からできる6つのポイントをご紹介します。

室温は18℃以上をキープ!

血圧の変動を抑えるには、室温を18℃以上に維持するとよいのですが、今、部屋の温度は何度になっていますか?長年住んでいると、慣れてしまった家の寒さに気づかず、知らないうちに血圧が上がっている危険があります。エアコンなどの暖房器具に加え、窓からの冷気を防ぐカーテンを使って、部屋の温度を18℃以上に保ちましょう。また、部屋ごとの温度差にも注意してください。温度差が大きいと、血圧が急上昇し、脳梗塞や心筋梗塞などの引き金になってしまう危険性があるからです。特にトイレや洗面所などの水場は温度が低くなりやすい空間なので、ヒーターなどを置いておくのもよいでしょう。

足元を冷やさない!

足裏には寒さを感知するセンサーがあり、床上1メートルよりも、足元(床上10センチ)の温度変化のほうが、血圧をより上昇させてしまいます。そのため、身体で感じる部屋の温度差だけでなく、足が感じる床の温度差にも注意が必要です。足元を冷やさないよう、家の中にいるときも、厚みのある靴下やスリッパをはくようにしましょう。

洗顔はぬるま湯で!

足裏と同様に、手のひらにも温度センサーがあります。冷たい水を触ると血圧が急上昇してしまうので、洗顔は必ずぬるま湯で行いましょう。

早朝の血圧変化に要注意!

血圧は、寝ているときは低く、早朝から上がり始めます。早朝は、室温が最も低いため、寒さによって、さらに血圧を上昇させてしまうのです。就寝中にも暖房を使ったり、布団から出るときには何か羽織るものに加え、スリッパや靴下も忘れずにはいて、温度差をなるべく小さくしましょう。特に、明け方にトイレへ行くときなどは要注意です。

便秘にならないように!

トイレでいきむと血圧が上がってしまいます。「朝」に、「寒い」、「トイレでいきむ」と、血圧を急上昇させる悪条件が3つも重なってしまうことに。血圧が高めの方は、水分と食物繊維をしっかり摂って、お通じをよくしましょう。

朝の血圧測定を日課に!

血圧の変化は、自覚症状ではわかりにくいからこそ、毎朝の測定で自分の血圧変化を正しく把握することが大切です。気づかないうちに血管のダメージを蓄積させて、脳卒中や心筋梗塞などの大きな病気を引き起こす前に、少しでも早く危険要因に気づくことができるからです。何事も、予防に勝るものはありません。血圧を気にしている方はもちろん、気にしていない若い方もぜひ血圧測定を習慣にして、未来の自分を守ってあげましょう。血圧測定は起床後1時間以内に行うなど、正しい測定方法でおこなってくださいね。

健康づくりは毎日の積み重ねです。いつまでも元気に過ごせるように、この冬、まずはできることから血圧対策を取り入れてみてください。

・出典元:太陽笑顔fufufu

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