すらりとした下半身が手にはいる!自宅でできる簡単ストレッチ

すらりと細い脚、へこんだお腹、ツンとあがったお尻――。これを阻んでいるのは「コアのインナーユニット」と呼ばれる身体の中心となる筋肉群である、横隔膜と腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群の衰えです。加齢や身体の歪みで使われなくなった筋肉が固くなり、そのせいでぜい肉がどんどん下半身につきやすくなる。その理由やしくみを、前編「運動するほど太くなる?!下半身痩せの真実に迫る!」で石川沙樹先生に伺いました。後編では、固まってしまった下半身を柔軟に、「コアのインナーユニット」の機能を活性化できる5つのストレッチをご紹介します。ココロートパークの運営メンバーも石川先生から教わりながら実際に体験しました。皆さんもぜひチャレンジしてみてくださいね。

教えてくれたのは
FTPピラティス教育ディレクター:石川沙樹先生
ロート製薬が運営する「スマートキャンプ東京」をはじめ都内スタジオでレッスンを行う他、海外トレーナーが行う研修の通訳や、インストラクター養成、国内のイベントやワークショップの講師、海外でのトレードショーなどのプレゼンターも務める。鍼灸師(国家資格)としても活躍中。

取材したのは
ココロートパーク運営メンバー:みーちゃん
オフィスワークが中心で、運動不足を日々実感。ハードな運動はチャレンジするもなかなか続かず・・・。体がかたい自分でも簡単に取り組めて、毎日の習慣にできるような“何か”を常に探している。
1.骨盤をゆらし、呼吸によって骨盤底筋群を鍛える
骨盤を前後にゆらすことで、ニュートラルな位置に整えます。そして正しい位置を保ったまま呼吸をしながら骨盤底筋群を鍛えます。
①正座をし、ストレッチボールやクッションなどをお尻とかかとの間に挟みます。両足の親指はくっつかないよう、できるだけ足の裏は平行に。

腰骨の前の骨、上前腸骨蕀(じょうぜんちょうこつきょく)に手をのせ、ゆっくり後ろに傾けます。この時、挟んだボールを坐骨で前に押すようなイメージで動かしましょう。

②続いて骨盤を前傾させます。上前腸骨蕀を前へ、坐骨は開くようなイメージで、ボールを後ろにゆっくりと押していきます。①と②を繰り返すことでニュートラルな位置を保ちやすくなります。前後に8〜10回程度を目安に行いましょう。

③続いて、骨盤底筋を鍛える呼吸法を行います。左右の腰骨と恥骨を結ぶ三角形が、床に垂直になるように骨盤を立てましょう。これがニュートラルな位置。おへその裏の腰の部分が少しだけ反る感じ。胸を高く上げ、顎をひき、首の後ろをまっすぐ長くするイメージで。

この状態でゆっくりと呼吸します。ボールがあたっている部分が骨盤底なので、鼻から息を吐きながらボールから骨盤底を離すように引き上げます。次は吸いながら骨盤底をゆるめます。骨盤底を意識しながらゆっくり呼吸をおこないましょう。
2.股関節をのばして、柔軟にする
後ろに伸ばした脚のつけねから腰のあたりを伸ばすストレッチ。体重の重みを利用しながら、少しずつ伸ばしてみましょう。
①右膝を床に、左足を前に出します。

②前へ体重を移動。右手は少し開いて、左手は脚の内側につきます。


③そのまま右のお尻をゆっくり床につけるようなイメージで倒して左の肩越しに後ろを見ます。息を吸いながら、後ろを見る。吐きながら前(②の状態)に戻る、を繰り返します。8〜10回ほど行ったら、反対側にもチャレンジ。

先生と同じ動きをやってみました。

思いのほか股関節が前後に開かない!これくらいしか開かなくても効果はありますか?

あります!無理せず、まずは自分のできる範囲のポーズでOK。少しずつでも続ければ、だんだん伸ばせるようになってきますよ

上級編
両脚をまっすぐ伸ばし体重を左右に移動させるように、ゆっくり身体を動かしてみましょう。

3.股関節の内転筋群をしっかり動かす
膝を伸ばした脚の内側にある筋⾁をゆっくりと伸ばしてあげましょう。
①両手両膝をついて四つん這いになります。

②つま先を天井に向けたまま、右脚を横にスライドします。

③無理のない範囲まで右脚を開いたら、両手を肩の前にだし両肘を床につけます。

④③の状態で身体を前後にゆっくり動かします。少しずつ体重の重みで脚を開いていきましょう。これも8〜10回を目安に。

4.股関節の外転筋群と骨盤部分を動かす
伸ばした脚の太ももの外側、お尻、膝のストレッチ。比較的簡単なのでテレビなどを観ながらやってみてください。
①両手を身体の後ろについて、胸を持ち上げます。両膝をつけたまま曲げて座ります。

②ゆっくり両膝を片側に傾けます。

③上側の脚を伸ばします。できるだけ自分の身体(胸)の方へ引き寄せるイメージで、お尻もしっかり伸ばしましょう。②と③を繰り返します。8〜10回行ったら、反対側も。

5.膝関節をしっかり動かす
骨盤が後継していると膝関節は伸びきったままで、非常に負荷がかかった状態。ストレッチで関節をゆるめ、動かしてあげましょう。
①脚を股関節の幅に開き、前屈をして膝を曲げます。首の力は抜きましょう。

②ゆっくりと膝を伸ばしていきましょう。膝の曲げ伸ばしを繰り返します。できるだけお尻の位置をかかとの上にもっていくように意識して。これも8〜10回を目安に。

先生と同じ動きをやってみました。

体がかたくて、床に手がつかない!

それなら足首あたりをもってみて

なんとかもてました。なんだか見た目よりずっと脚に効いてます…!

柔軟な身体は、日々つくられる。少しずつでも習慣に
普段、使っていない筋肉はかたくて、最初はどのストレッチも辛いかもしれません。でも、日々続けることで、少しずつ柔らかく動くようになっていきます。できるところから無理をせず。1番目のストレッチは椅子に座ってもできるので、ぜひ仕事や家事の合間にやってみてください。まずは内蔵を持ち上げる、コアのインナーユニットをニュートラルな位置に整えて、骨盤底筋群を鍛える呼吸法からはじめてみましょう。
<体験してみた感想>

先生と同じポーズをいざ自分がやってみるとまったく動かせず・・・!自分でも気がつかないうちに体が凝り固まっていたことに気づかされました。最初は辛かったポーズも、やっているうちに筋肉が伸びて心地よく感じるように。毎日続けると体が変わりそうな予感がしました。できる範囲で少しずつ、習慣にすることが大事ですね。どれも家の中で簡単できるので、体と心のリフレッシュとしてもぜひ、実践していきたいと思います!
<関連記事>
・運動するほど太くなる?!下半身痩せの真実に迫る!
・おうち時間