目薬に含まれる「パンテノール」って、実はすごい成分!

みなさんは「パンテノール」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか?またの名を「プロビタミンB5」とも呼ばれ、細胞の代謝を活性化してくれる優秀な成分です。現在、目薬はもちろん、乾燥肌改善薬、育毛剤、シャンプーやリンスなど多くの製品に使用されています。このパンテノールは、古くから目薬にも配合されてきたものの、詳しい作用メカニズムの研究例はほとんどありませんでした。ロート製薬では、現代人の疲れ目改善に、より効果的な処方を開発するため、パンテノールのメカニズムについてさらに詳しい研究を行っています。
パンテノールは筋肉を動かすためのエネルギー源に⁉
遠くを見たり、近くを見たり、人は目の「筋肉」を動かすことでピントを調節しています。近くを見るとき、目の筋肉は収縮して緊張状態をうみだします。そのため、パソコン作業などで近くを見続けると、目の筋肉は凝り固まり、これが目の疲労の原因のひとつとなっています。そして、筋肉を動かすためには「ATP」と呼ばれるエネルギーが必要です。ロート製薬が研究の末、突き止めたのは、パンテノールがATP産生を促進するメカニズムを持っていること。つまり、パンテノールがATP産生を促すことで、凝り固まった筋肉が動きやすくなり、ピントが合いやすくなるので、目の疲れに効果的に働くということが解明されました。
近くを見るときに毛様体筋を動かす仕組み
パンテノールとムチン層の関係
「ムチン」は人間の体内に存在します。胃腸や鼻などの粘膜に多く含まれ、ムチンが粘膜を保護することで、様々な病気の予防につながります。このムチンは、実は涙にも含まれていて、目に水分をとどめる為の接着剤のような役割を果たしています。目を乾燥から守ったり、ドライアイの予防など、非常に重要な役割を持つ成分です。ロート製薬の研究により、パンテノールがムチンを増やす働きがあることを発見しました!
涙の三層構造
涙は油層、水層、ムチン層から成り立っており、それぞれバランスを保つことで涙の安定性を保っています。
※正確には、3層にきちんと分かれた構造をしているわけではなく、ムチン層と水層の境界は不明線でゲル状になっています。
より効果的な目薬を開発するためパンテノールの研究はこれからも続きます
目の筋肉を動かすエネルギー「ATP」の産生促進、目の水分を保護するための「ムチン」の増加など、ロート製薬の研究によってパンテノールの重要性が再発見されています。今後の研究により、さらに効果的な処方の開発が期待されます。
※「目の筋肉」とは「毛様体筋」のこと。